石川県小松市を中心に大きな被害が出た豪雨災害から20日。被災地を取材すると住民が元の生活に戻るためにはまだ様々な課題があることが浮き彫りになりました。
（リポート）
「小松市中海町です。8月4日の大雨から20日。道路を埋めていた泥も撤去され復旧作業が進んでいます」
県内で最も被害が大きかった小松市。4日の記録的な豪雨からおよそ3週間がたちました。住民は今も懸命に復旧作業を続けています。
住民:
「床一回はがして乾いてきたのではってもらった、元に戻してもらった」
床上浸水の被害となった住宅。家具などが散乱し、家の中にも泥水が入り込んでいました。すぐに床板をはがし、泥をかきだしたため、新しい床板をはることができました。
住民:
「本当にホッとしているというか、まだまだ不安はたくさんあるけど、ここまできれいになった。衛生的にも安心できる」
しかし別の部屋はまだ作業中…
住民:
「床下の土ですね、泥は取り終わってるんですけど土の方が乾いてなくて」
湿気を好むシロアリやカビを防ぐため、土が乾かなければ床を張りなおすことができません。
土を乾かすためには常に窓を開け、大型の扇風機を1日中回す必要があります。その期間は少なくとも1週間以上。気になるのは…
住民:
「一日中回している扇風機、電気代の方、これから重くのしかかってくるのかな」
また、別の家では…
大学生:
「家の中で勉強ができない状態なので車庫でしています。就職活動で資格がいるので取得に向けて」
11月の資格試験に向けて勉強を続ける大学生です。住宅は浸水被害があったため、勉強部屋として使っているのは被害が少なかった車庫です。
大学生:
「集中できない、家のことも考えるので両立が難しい」
元の生活に戻るために今何をすればいいのか、不安が募ります。
大学生:
「市とか県から情報がほしい。家の中の状況を見てもらって、これからどういう風に進めていったらいいのか」
町内会長は行政に次のように注文しました。
中海町町会長:
「少量の降雨でも川底が上がっているのですぐに氾濫水位にあがってしまう。9月に入れば台風シーズンがやってくる。できるだけはやく川底をさらってもらいたい」
町内会長が指摘したのは、中海町を流れる滓上川。土砂と一緒に大きな岩が流れ着き、以前より川底が1メートルほど上がっているといいます。
町会長:
「あれだけの雨はそう簡単にこないとは思いますが、やはり安心して暮らせる町になりたい」
県からは9月早々に岩の撤去に取り掛かると連絡が来たそうですが…
町会長:
「タイミングが遅いと思います、1メートル以上上がっているので、何としてでもやって下さいと、この町内に対して寄り添って頂けることを念頭に行政を運営していただきたい」
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（2022年8月24日放送）
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