連日、大気が不安定で大雨に見舞われる地域があります。大雨で冠水した道路を車で走行するには危険が伴います。
　どれぐらい冠水していたら車は止まってしまうのか？どのぐらいの深さで車から脱出しづらくなってしまうのか？
　JAFの実験映像で明らかになりました。
10日昼前に突然の大雨　視界は白っぽく
　10日昼前の愛知県豊橋市。大雨とともに時折、雷も…
　急に降り出した大粒の雨で辺りは白っぽくなり、視界が悪くなるほど。
　街を行き交う人も急ぎ足です。
「冠水で車が止まった」…先週からの大雨でJAFに救援依頼相次ぐ
　南から北に移動してきた活発な雨雲は名古屋にも。空を分厚く黒い雲が覆っていきます。
　大雨が続けば道路が冠水する可能性もあり、車を運転している人にとっては、時として命の危険も…
　先週からの大雨で、JAF愛知支部には救援依頼が相次ぎました。
「冠水によって車が止まってしまったという依頼が多く入っておりました。これから台風シーズンを迎えて、水に関する救援依頼のトラブルは増えてくる時期になってきます」（JAF愛知支部　吉田英治さん）
JAFの実験　水深60cmで30m進んだところで停止
　冠水した道路で車を走らせるとどうなるのか？JAFが行った実験です。
　深さ60cmの水を張った道を時速10kmで走行します。
　最初は順調に進んでいるように見えます。
　しかし30mほど進み、登りに差し掛かったところで動かなくなってしまいました。
マフラー覆う水深あると排圧ができずにエンジン停止
「だいたい水深が20～30cmになってくると、一般的な軽自動車・普通乗用車であればマフラーが水で覆われてしまいます。マフラーの排気口がふさがってしまうことによって、排圧ができずにそこでエンジンが停止してしまいます」（JAF愛知支部　吉田英治さん）
水深60cmでは水圧でドアが開かず、脱出が難しく
　また冠水の程度によっては車からの脱出が難しくなります。
　水深30cmの場合、問題なくドアを開けることができましたが…
　倍の水深60cmになると、車体が浮き始め、ドアの隙間から水がどんどん入ってきます。
　ドライバーが必死にドアを開けようとしますが、水圧が阻みます。
「60cmになってくると、男性の力でも非常に開けずらい状況になってきます。最悪の場合は車のグリップを握った状態で足で蹴り飛ばすというのも1つの手ではあります」（JAF愛知支部　吉田英治さん）
　水位が1m近くになると、車の種類によってはパワーウィンドウが動かなかったり、ドアを開けることができなくなる恐れがあります。　　
いざという時のため、車内に「脱出用の道具」を
　そこで窓が開かなくなった時に備えたいのが「脱出用の特殊な道具」。
　ハンマーなどカー用品店で手に入れることができます
「叩く場所としては車の角、四隅ですね。できれば一番振りかぶって、力が入りやすい前の角の部分を叩いていただくと割れます」（JAF愛知支部　吉田英治さん）
　狙うポイントはガラスの隅。真ん中だと、力が分散して割れないこともあるそうです。
　また窓に対して直角にして叩くと力が伝わりやすいといいます。
　持ち運びができるキーホルダー型の脱出道具を使用した映像がコチラ。
　中から針が飛び出し一瞬にして窓ガラスが割れ脱出することができます。
　大雨でなにより大事なことは危険を伴う時は、無理をして運転をしないことです。
「（一般の）車は水陸両用車じゃないということです。普通の雨であれば対応できますが、本当に危険を伴うような雨の時は運転しないということが、まずは1つ」
「自分の命を守るためにどのような行動をとったらいいのか、生死にかかわることにもなりかねませんので、とっさの判断ではなく、冷静に考えてから判断をすることが大事です」（JAF愛知支部　吉田英治さん）
（9月10日　15:40～放送　メ～テレ『アップ！』より）
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