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#カセットビジョン #コンポーネント出力 #HDMI #μPD777 #CVR4 #CassetteVision
ご視聴ありがとうございます。
ほりまチャンネル ほりまです。
今年(2024年)は「カセットビジョン」発売43周年になります。テレビゲーム機の歴史を遡ると「カセットビジョン」の家庭用テレビゲーム機としての位置づけは次のように考えられます。1980年ころまではアタリなどの一部の高級機種を除いては、単体ゲーム機が主流でした。その中で1981年7月、日本で初めて「純国産ソフトウェア」を搭載したカセット交換式テレビゲーム機として「カセットビジョン」は誕生し、ダントツの売り上げを続け、その後もカートリッジ交換式ゲームの歴史がずっと続くのですが、1983年7月任天堂ファミリーコンピュータの発売により、カセットビジョンの役割は終えます。カセットビジョンジュニアの発売も1983年7月でした。
技術的にカセットビジョンは、インターレース・同期信号中の等価パルスなど、放送方式に忠実に準拠しています。その後のテレビゲーム機では、ノンインターレースでも画像は安定して出ることが実証され、ほとんどインターレースは非実装となりました。カセット内にテレビゲーム専用ワンチップマイコンを搭載しているという当時から現在においても特異な構成となっていて、カセット一つ一つが単体のゲーム機になり得ます。そのおかげで今回のような製作ができたわけです。
今回製作したほぼカセットビジョンジュニアを、CVR4号と名付けました。すべてのパーツは特別のものは使用していませんので、市販の部品で製作できました。
☆CVR4号 製作の動機
「カセットビジョン」は画像にしても音にしても現在とは比較にならない機能ですが、テレビゲーム機発展の過程で一定の存在感を発揮している機器です。しかしながら、「動態保存」を考えた場合、出力がアナログテレビのRF出力(VHFの1チャンネルか2チャンネル)のみであるため、現在販売されているテレビには映すことができませんし、現存しているアナログチューナー搭載テレビをそのためにだけ保存しておくのも難ありです。そのため今後も継続していくであろうHDMI信号での出力を目指し、今回はコンポーネント信号を出力するまでの設計・製作を行いました。コンポーネント信号からHDMI信号への変換は市販の変換機に委ねました。コンポーネント出力が出ていますから、D端子が搭載されているテレビに直接出力する事が可能です。
カセットビジョンジュニアと今回製作したCVR4号は、パドルコントローラを実装していませんので、発売されたカセットのうち対応しているのは〇印のついたタイトルです。
〇No.1 #きこりの与作
No.2 #ベースボール
〇No.3 #ギャラクシアン
No.4 #ビッグスポーツ12
〇No.5 #バトルベーダー
〇No.6 #パクパクモンスター
No.7 #ニューベースボール
〇No.8 #モンスターマンション
〇No.9 #アストロコマンド
〇No.11 #モンスターブロック
〇No.12 #エレベーターパニック
No.10 #グランドチャンピオン が発表されましたが、発売されなかった経緯があります。
(3個か4個実在するという情報をネット上で見たことがあります)
☆「カセットビジョン」は今のテレビでは遊べない
「カセットビジョン」が発売された1981年ころのテレビはAV入力端子はなく、もちろんHDMIやD端子もなく、唯一の外部からの信号入力端子はアンテナ端子でした。そのため、テレビゲーム機は内部で放送電波と同じ形式の信号を簡易的に発生し、テレビのアンテナ端子に接続して映していました。当時はビデオデッキでさえアンテナ端子を使用していましたから、ビデオとゲームでアンテナ端子の取り合いになった家庭もあったようです。ゲーム機は「スイッチボックス」というアンテナ切替機に接続して使いました。
「カセットビジョン」も同様にゲーム画面をアナログテレビ放送の電波に変調して送ります。したがってアナログテレビ放送を受信できないテレビでは画面を映すことができません。現在販売されているテレビには、アナログチューナーはついていませんから、「カセットビジョン」を今後もテレビに映すためには別の手段が必要となります。
☆今後のテレビに映るようにするために
現在のテレビの外部入力端子は、ほとんどHDMIとビデオ入力端子でしょう。今回のCVR4号は、HDMI出力を目指しつつ、現状では直接HDMI出力は私の力では無理なので、コンポーネント出力としました。この方式だと市販のコンポーネント信号からHDMI信号への変換コンバーターで変換できます。
2009年前後に販売されていたテレビにはD端子の付いた機種もあるのでCVR4号から直接出力することが可能です。我が家にもそういうテレビがまだあるのでそれでチェックもしています。このテレビはアナログ放送、D端子からのコンポーネント信号入力、HDMI端子があるため、カセットビジョンジュニアとCVR4号の画質の比較に大いに役立ちました。
μPD777シリーズからは、色差信号(色の位相と濃淡の信号)が出力されており、コンポーネント信号出力はこれを利用して再現しています。また、μPD777シリーズの輝度値は、白・黒・中間の3段階のため特に青・赤の輝度レベルの低い色の再現ができないため、本来の色になるよう青・赤について輝度レベルを下げる回路を実装しています。厳密には他の色にも実装すべきなのですが、効果と回路の複雑化がトレードオフの関係になりますから、CVR4号への実装は断念しました。ただカラーの位相は正しくなるようにR-YとB-Y出力最終段にオペアンプで行列演算を行い修正しています。この回路はテストスイッチで実装・非実装が切り替えられるのですが、見かけあまり変わりありませんでした。こだわりで実装してあります。むしろ、色ごとの輝度値を正しくする回路のほうが目視での改善効果は大きいです。
回路設計にあたり以下の文献・webサイトを参照しています。ありがとうございました。
●参考文献
定本OPアンプ回路の設計 CQ出版
トランジスタ技術1975年8月号 CQ出版
改訂版入門カラーテレビ 東京電機大学出版局
図解テレビの仕組み 講談社
テレビジョン技術のすべて 電波新聞社
計測と制御(Vol29,No.6) 計測自動制御学会
●参考サイト
www.ne.jp/asahi/cvs/odyssey/
Classic Videogame Station ODYSSEY様
oura.oguchi-rd.com/
大浦様