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1928年製作の「新版大岡政談」3部作で、当初の主役だった大岡越前を超越する人気を博して主役となった丹下左膳(大岡越前と丹下左膳は、大河内傅次郎の一人二役でした)を、一枚看板として前面に出した最初の映画が、この「丹下左膳 第1篇」です。
1997年、大河内傅次郎研究家の梶田章先生に「フィルムが(左右に)縮んでしまっているので、映写機にかけると切れてしまう」と言われて、剣劇場面のフィルムをお借りました。
夜のシーンに合わせた青色のフィルム(染色版なのかどうかは不明)です。
「これを見るまでは死ねない!」との思いから、ライトボックス(ネガフィルムを見るための道具で、フィルムを使わない現代では死後ですね)にフィルムを乗せて1コマずつビデオカメラで撮影しました。
2分程度の長さでしたが、朝から始まって夜遅くまでかかる、予想以上に大変な作業でした。
ビデオ「大河内傅次郎 乱闘場面集」に収録されている場面は、このフィルムから撮ったものでしょう。
「大河内傅次郎 乱闘場面集」には入っていない、柳生源三郎(澤村國太郎)の殺陣と丹下左膳(大河内傅次郎)が邸内を伺うショットを見ることができます。
国立フィルムアーカイブ所蔵のフィルムには、殺陣シーンが、まったく入っていません。
ここでしか見ることのできないショットの存在や青色のフィルムなど、非常に貴重です。
映写機にかけることのできないフィルムをコマ撮りした自分へのご褒美に私家版として20年以上、秘蔵していましたが、今のような時代に、大河内傅次郎、伊藤大輔、丹下左膳を愛好される方々のお目に触れぬままにしておくのは忍びがたいという思いが高まり、原版の修正をする力量はありませんが、せめて4Kで出力し、この場をお借りして公開させていただく次第です。
皆様と共に大河内傅次郎、そして、「丹下左膳餘話 百万両の壺」では腰抜けの役どころを演じていた澤村國太郎の斬れ味鋭い殺陣を楽しめましたら、幸いです。
梶田章先生のご厚意に改めて深い感謝を示させていただきます。