■臨済宗方広寺派 東福寺
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■法話のテロップ
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「もし、なんじらが、慈悲のこころを修め、それをたびたび繰りかえして、すっかり身につけてしまったならば、それを土台として立ち、そこに安住することをえて、もはや、なにものをも恐れることなきにいたるであろう。たとい鬼神があらわれて、なんじらの心をかき乱そうと思っても、けっして思うようにすることはできないであろう。」（増谷文雄『仏教百話』より）
「人のおもいは、いずこへもゆくことができる。されど、いずこへおもむこうとも、人は、おのれより愛しいものを見いだすことはできぬ。
それとおなじく、他の人々にも、自己はこの上もなく愛しい。
されば、おのれの愛しいことを知るものは、他のものを害してはならぬ。」
（増谷文雄『仏教百話』より）
　わたしはひろがる　岸　武雄
わたしが世界のすべて→わたしの中へ弟がはいってきた→わたしの中へおかあさんがはいってきた→わたしの中へ、友だちがはいってきた→わたしの中へ養護の子がはいってきた→わたしの中へ、ほんとうの勉強のめあてがはいってきた→わたしの中へ愛国心がはいってきた→わたしの中へ、ベトナム人や黒人がはいってきた
むねの中のわたしは、弟もおかあさんも養護の子も、ベトナム人まで包んで
ひろがる、ひろがる……。
念ずれば花ひらく　坂村真民
慈念衆生猶如赤子　『法華経』
河野宗寛老師　方広寺派第五代管長　
明治三十四年生　昭和四十五年七十歳で遷化
戦に敗れし日より憂きことは　親のなき子らのさまよひあるく
今日よりは親なき子らの親となり　厳しき冬を守りこすべし
毒舌のにがき禅機はいまやめて　子らと遊べば心浮くなり
　　
幼子の今日限りなる葬ひと　われ晴着きて経をよむなり
　
立つ鳥も跡は濁さじ此の園を　掃き清めおけふき浄めおけ
幼子に今日はみ国に帰るよと　涙もろとも説き聞かせけり
み仏と同じ心の恵みもち　この荒海を子らと渡らん
親のなき子らをともなひ荒海を　渡り帰らんこの荒海を
我々が花を愛するのは自分が花と一致するのである。 月を愛するのは月に一致するのである。 親が子となり子が親となりここに始めて親子の愛情が起こるのである。 親が子となるが故に子の一利一害は己の利害のように感ぜられ、子が親となるが故に親の一喜一憂は己の一喜一憂の如くに感ぜられるのである。我々が自己の私を棄てて純客観的すなわち無私となればなるほど愛は大きくなり深くなる。 親子夫妻の愛より朋友の愛に進み、朋友の愛より人類の愛にすすむ。仏陀の愛は禽獣草木にまでも及んだのである。（西田幾多郎『善の研究』より）
「あたかも母が己が独り子を命を賭けても守るように、そのように一切の生きとし生けるものどもに対しても、無量の慈しみの心を起こすべし」（『スッタニパータ』より）
喧嘩すなあいみたがいの渡り鳥（一茶）
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10月16日午前10時から、静岡県湖西市にある東福寺さまにおいて法話をさせていただくことになっています。
題は、「慈悲のこころ」です。　　
お釈迦さまがある時に
「鍛えに鍛えられた刀が折れることがないように、慈悲のこころを修め、すっかり身につけて、それを土台として立ち、そこに安住することをえたならば、もはやなにものをも恐れることなきにいたるであろう。」
と仰せになっています。
慈悲の心は、本来誰しも生まれながらに具えているものですが、しっかりと鍛えて、それを土台として生きることが大事だと説かれているのです。
では慈悲の心をどのようにして育て、鍛え、身につけていったらよいのか、皆さんと一緒に学んでまいります。
横田南嶺
　
　　
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