シリーズ【廃×Healing】　廃墟×リラクゼーションの試み
第17弾は「廃墟になった美術館と寮」
かつて日本に存在していた証券会社に
三洋証券株式会社がありました。
最盛期には東洋一のトレーディングルームを擁する巨大企業でしたが、
バブル期に積極的な不動産投資を行い、それがバブル崩壊後、本業の赤字に加え「三洋ファイナンス」など系列ノンバンク4社の不良債権となりその処理が重しとなりました。1980年代の積極的なコンピュータ投資も負担となり、雪だるま式に債務が膨張、借入金返済不能となった。
1997年 会社更生法の適用を申請し、経営破綻。その後2009年破産手続終結の決定を受け、法人消滅となりました。
山梨県の山中湖湖畔に、三洋証券の保養所兼、研修施設の跡が残されていました。
1階はガレージのスペースになっているようで、階段を昇るとエントランスがありました。
エントランスを抜けると、広い空間が現れます。家具が一切なくなっているのですが、
食堂を兼ねたスペースだったと思われます。
特徴的な明かり取りの通路を抜けていくと、奥には茶室と思われる部屋がありました。
さらに奥には、離れとみられる純和風の建物がありました。
敷地内には、美術館の跡も残されていました。
現在の空っぽな空間を見ても、操業時の様子は想像できません。
そして、海外のサイトでも有名になった金庫につながる一角があります。
丘のような土塁のような一角に、物々しい雰囲気の入り口がありました。
通路を進むと、そこにはとてつもなく重厚な扉が開かれた状態でした。
巨大金庫だったと想像できますが、はたしてこのような湖畔の敷地に、
なにを保管していたのでしょうか。なにか使われていた形跡もないようでしたが。
色々と謎の多い廃墟でしたが、所有していた会社は倒産し、今はなくなってしまったので
この場所もそう遠くない将来、消えてなくなってしまうのでしょうか。
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