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　「東北の小さな町のある疑惑　町有地はなぜ高額で転売されたのか？」（加美町町有地転売疑惑その１）をメルマガ「ＦＯＯＭＩＥ」で公開中です。今後、連載を予定しています。月額５５０円で読むことができます。宜しくお願い致します。
　宮城県加美町のゴルフ場「やくらいサイズゴルフ倶楽部」の土地転売問題を巡り、加美町は今月８日、記者会見を開き、民事訴訟や刑事告発を視野に入れて対応する旨を明らかにしました。
　この問題は、２０２１（令和３）年４月２３日、ゴルフ場の運営会社「チームトレイン」が加美町から土地と建物を９５００万円で買い戻したその日に、外資系太陽光発電会社「カナディアン・ソーラー」に４億円で転売したものです。
　カナディアン・ソーラーは今季でゴルフ場の運営は終了し、来年度から太陽光発電所の工事に着工したい、としています。
　これまでに加美町議会はこの大規模太陽光発電所（メガソーラー）の計画に全会一致で反対を表明しています。
　果たして、不可解な形で手に入れた土地に太陽光発電所は完成してしまうのでしょうか？
　今回のケースでは民法９６条によって、取り返す方法があります。２０１９（平成３１）年２月１９日、加美町議会の全員協議会で、複数の議員から「土地が第三者に渡ることが想定されるのではないか」との疑義が出されたのですが、これに対し、チームトレイン側は「転売目的の経営・譲渡ではなく、ゴルフ場としての営業しか考えておりません」と回答しており、この点は２０２１（令和３）年４月２３日、町から土地を取得したチームトレインが、即日、カナディアン・ソーラーに土地を売却していることからも加美町に対して、民事上の「詐欺行為」をした可能性が高いのです。
　この場合、加美町とチームトレインがした契約は取り消すことができ、取り消した場合は無効となります。土地はすでにカナディアン・ソーラーに転売されていますが、こちらも「善意無過失」であれば、取り返すことができませんが、その日のうちに土地を売買している事実から見ても、事情を全く知らなかった（善意だった）と考えることは難しいのではないか、という解釈も成り立ち得ます。
　加美町はおそらく、この「詐欺による売買契約の取り消し」を主張するのではないか、とみられますが、これが裁判所に認められた場合、ゴルフ場は加美町に戻ってくる可能性が高いということです。
　加美町は早ければ８月中にも民事裁判の提訴をしたいと表明しています。まだ、「やくらいサイズゴルフ倶楽部」が中国系資本による太陽光発電所になると決まったわけではないのです。