去年、TOKYO MXのインタニュー取材に応じるこちらの男。高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」の運営会社の元代表です。警視庁はこの男が、所有者から預かったロレックスを無断で売却し、着服したとして指名手配しました。
福原容疑者：「腕時計に関しては、ひとつひとつの価値が高いのもありますし、使ってくださる方も、本当に気を付けて使っていただかないといけないので、1本に対する希少価値がすごく高いと思っているんです」
去年1月、TOKYO MXの取材に応じるのは、業務上横領の疑いで警視庁がきのう（5日）指名手配した、大阪市の合同会社ネオリバースの元代表、小湊敬済こと福原敬済容疑者42歳です。警視庁によりますと、福原容疑者は去年12月ごろに都内の男性から預かったロレックスの腕時計1本を今年1月ごろに大阪府内の古物商で65万円で売却した疑いが持たれています。福原容疑者が2021年から運営していた「トケマッチ」は、ロレックスなどの高級腕時計を所有者から預かり、預けた人に、腕時計の査定額に応じた預託料を毎月支払い、預かった高級腕時計を利用者にレンタルし、その料金を受け取る仕組みとなっていました。トケマッチについて、福原容疑者は去年1月のインタビュー取材に対してこう答えていました。
福原容疑者：「預けていただいている間は、不安がつきものだと思うんですけど、これに関しては、預けていただいてご返却に至るまで、決して不安はぬぐえないと思うんです。そこで初めて時計がどのような状態で返ってきたとか、傷がついているのかとか、そういうトラブルがなく、で、2本目を預けてみようかとか、多分継続しなければ見えてこないものだと思っています」
去年8月には「トケマッチ」に預けられた高級腕時計は1500本に達したと発表していましたが、今年1月、突如ホームページ上で「諸般の事情」を理由にサービスの停止を発表しました。
「諸般の事情により、「2024年1月31日をもちまして、解散することとなりました」「トケマッチはサービスを終了しました。これまでご愛嬌ありがとうございました」
その後、預けた腕時計が返却されないという相談が相次ぎ、都内では、警視庁がきのう（5日）までに27件の被害届を受理し、腕時計70本ほど、時価総額約1億円相当が売却されていたということです。
「捜査関係者によりますと、被害は都内だけでなく、全国各地で相次いでいるということです」
被害届けは13都府県で提出されていて、時計を預けた190人のグループ「トケマッチ対策本部」によりますと、きょう（6日）時点で、866本総額18億4千万円相当の腕時計が返却されていないということです。
「福原容疑者は成田空港から出国し、海外に逃亡しているとみられています」
福原容疑者は「トケマッチ」の解散を発表した同時期に、アラブ首長国連邦のドバイに向けて出国し、行方が分からなくなっていて、警視庁は今後、福原容疑者を国際手配する方針で、詐欺の容疑も視野に捜査しています。
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これまでに13都府県で被害が確認される「トケマッチ」の仕組みについてみていきます。
トケマッチは2021年1月に始まった高級腕時計のシェアリングサービスです。パーティや結婚式などで使うため高級腕時計を借りたい人が月額制でつけたい時計を借りるといったものでした。
サービス終了以前のホームページにはオメガやフランクミュラーといった高級時計が月額9800円でレンタルできると記載されていました。貸し出す時計をどのように集めていたかというと運営会社が高級腕時計を所有者から預かり、査定額に応じた使用料を所有者に毎月支払う形で行われていました。時計によって金額は異なりまして値段も高く人気のあるロレックスの時計は1カ月に2万9900円・・カルティエの時計は1カ月に1万1900円が支払われていたということです。この使用料は、預けた時計がレンタルされない場合でも支払われていたことから多くの高級腕時計が集まっていました。
この腕時計の使用料について福原容疑者は去年行ったMXテレビの取材に対し、「1本に対する希少価値がすごく高いと思っており、預けていただいた時点で対価として預託使用料を払っている時計を借りる人と時計を貸す人の両者をつなぐサービスだ」と答えていました。
福原容疑者はアラブ首長国連邦のドバイに向け出国したことが関係者の取材で分かっており警視庁は今後警察庁を通じて国際手配する方針だということです。