今冬はラニーニャ現象　過去には記録的な寒さや大雪も(解説：#気象予報士 #穂川果音)
皆さんは「ラニーニャ現象」という言葉を聞いたことはありますか。このラニーニャ現象が発生していると日本の天候にも影響が出ると考えられています。
2021年11月10日に気象庁が発表した情報によりますと、現在ラニーニャ現象が発生していると見られます。
そして、気象庁はこのラニーニャ現象が今冬(2021～2022年の冬）にかけて続くと予測しています。
そもそも、ラニーニャ現象とは何なのか。
南米沿岸付近の海面水温が、平年よりも低くなることを言います。
この海面水温が低くなるのは、およそ１年ほど続くと言われています。
一方で、海面水温が高くなる場所もあります。
それはフィリピンの近海です。
フィリピンの近海では、海面水温が平年よりも高くなります。
海面水温が高くなることによって、この付近で積乱雲が発生し、発達しやすくなります。
また、通常の偏西風はこの赤い点線のように吹いています。
一方、ラニーニャ現象が発生したときの偏西風は蛇行しているのがわかります。
この蛇行していることによって、上空の寒気が流れ込みやすくなります。
このため、日本ではラニーニャ現象が発生した場合、平年よりも寒い冬になる傾向と言われているのです。
ラニーニャ現象が日本の天候に影響を与える原因です。
過去にも、何度かラニーニャ現象が発生した冬がありました。
2017年12月～2018年2月にかけての冬ですが、この時は全国的に厳しい寒さとなりました。
特に、西日本では平年よりも1.2℃ほど気温が低く、32年ぶりの記録的な寒さとなりました。
そして、日本海側の地域を中心に大雪となり、車の立ち往生のニュースで見られた方も多いかと思います。
福井では、期間(2018年2月3日～8日)最深積雪が147センチを記録。積雪の深さが140センチを超えるのは、37年ぶりのことでした。
今年も、ラニーニャ現象がこの冬にかけて発生し続けた場合、記録的な寒さや大雪になる恐れがあります。
雪が降りやすい地域の方は、早めに雪への備えをしておきましょう。
まずは、車の立ち往生への対策です。
車に閉じ込められた時のために、スコップや軍手等を車の中に入れておきましょう。
また、立ち往生した場合、暖をとれるようなものも常備しておくと安心です。
そして、雪降ろしの準備は早めにお願いいたします。
スコップ等はしっかりと用意しておきましょう。
大雪になると、停電の被害が発生することもあります。
懐中電灯やラジオ、スマートフォンの充電器等を用意しておく良いでしょう。
また、山沿いで一気に雪が積もった場合、雪崩が発生することも多いです。
雪崩への備えも大切です。
皆さん、今冬は厳しい寒さや大雪への対策をしっかりと行い、冬を乗り切りましょう。
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