ドビュッシー：「ベルがマスク組曲」より月の光
Debussy：Clair de Lune
「艶なる宴」より月の光
あなたの魂は選ばれた風景
その風景では魅力的な仮面と踊り子が歩く
リュートを弾いて踊りながらも
幻想的な変装の下でどこかもの悲しい
短調の調べにのせて歌う
愛の勝利と心地よい人生を
でも幸せを信じていないようで
彼らの歌は月の光に溶け込む
悲しく美しい月の光は
木々の鳥たちには夢を見させ
そして噴水をうっとりと啜り泣かせる
大理石の像の間からの大きな噴水を
　　　　　　　(Wikipediaより引用)
ドビュッシーはヴェルレーヌのこの詩にインスピレーションを受けました。
月の光はベルガマスク組曲の第3曲で単独でもよく演奏されます。
「月の光」というタイトルからは、月明かりに照らされた美しく幻想的な風景は容易にイメージできますが、随所に観られる月の硬く冷たい質感を想像させる音の響きは、どこかやるせない感情を刺激されます。
人々は『光と影』『喜びと悲しみ』『男と女』など世の中に存在する相反するものに揺れ動きながらもバランスを取りどこかで折り合いをつけながら人生を紡いでいく。そんな人生の歩みの中で感じる複雑性をもこの曲から感じることができます。それは、これらの表現を模索する印象派という時代に生きたドビュッシーのテーマのひとつだったのかもしれません。
この曲を読み解くヒントとして、ドビュッシー本人が演奏している「月の光」、またこのピアノソロ版より前に作曲された声楽曲の「月の光」を聴いてみるのもおすすめです。
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