This story is from Noh, which is one of Japanese traditional theater. This piece expresses the horror of the resentment and jealousy of women through the evil figure of a demon. This is also a piece to express magic power, which beats off the curse imposed through "Ushi-no-koku Mairi", which is the style of worship of visiting the shrine around 2 am every night. However, even Abe no Seimei, the onmyoji with extraordinary magical power, is overshadowed by the demon obsessed by jealousy. Although the female demon is fought off, it seems that she lost her power only temporarily.
陰陽師安倍晴明の話としても有名な、能の人気演目『鉄輪』を #やさしい日本語 #EasyJapanese #SimpleJapanese でリライトしました。
参考：www.the-noh.com/jp/plays/data...
【音楽・効果音】
dova-s.jp/
on-jin.com/
【イラスト】
www.ac-illust.com/
スクリプト（動画の字幕と完全に一致するものではありません）－－－－－－－－－－
ある晩、貴船神社の人が、不思議な夢を見ました。
女が、毎晩丑の刻に神社に来て、元夫を呪っています。
「愛しいあの人。私を捨てた。恨めしい。私を捨てて他の女のところへ行ったあの人。憎い、苦しい…。裏切る男を愛した私が馬鹿だった。でも、あの男を呪わないではいられない。私は鬼になりたい。鬼になって、あの男を呪い殺したい…」
それから鬼神が現れて、言いました。
「この女に伝えなさい。私はこの女の願いを叶える。赤い着物を着て、鉄輪をかぶって、鉄輪の脚につけた蝋燭に火を灯しなさい。そうしたら、すぐこの女は鬼になって、元夫を殺すことができる…」
その晩、神社の入口で待っていると、夢で見た女が来ました。
「あのう、すみません」
「はい」
「私はあなたが誰か知りません。でも、鬼神のお告げをあなたに伝えなければなりません。私の夢の中で、鬼神が言いました。あなたの願いをかなえます。赤い着物を着て、蝋燭をつけた鉄輪をかぶって、その蝋燭に火を灯しなさい。そうしたら、すぐ鬼になって、ご主人を殺すことができます」
「えっ？」
女はびっくりしました。そして、言いました。
「何の話ですか。人違いです。私じゃありません」
「いいえ、あなたです。私は夢であなたを見ました」
神社の人は、だんだん恐ろしくなりました。
「私は伝えましたよ。さあ、はやく帰ってください。ああ、恐ろしい」
女はすぐ家へ帰りました。そして、赤い着物を着て、鉄輪をかぶって、その三つの脚につけた蝋燭に、火を灯しました。すると、すぐに鬼神の力を感じました。外では雨風が強くなって、雷が鳴りました。
「ふふふ、私は鬼になった。あの男に、思い知らせてやる！」
その日、安倍晴明の家に、知らない男が来ました。
「清明殿。私は、最近毎晩悪夢を見ます。この悪夢の意味を、教えてください」
清明はすぐ答えました。
「女の恨みですね。あなたを深く恨んでいる女がいます。心当たりは？」
「ああ、それは、私の元妻です。元妻はとても嫉妬深かったですから、離婚しました。それから、私は今の妻と結婚しました」
清明は、静かに言いました。
「前の奥さんは、あなたについて、何度も鬼神に祈りました。その結果、今晩、あなたは鬼に殺されます。もう手遅れです」
男はびっくりしました。そして、清明に懇願しました。
「清明殿、私はあなたに会って、こうして事情を話しました。せめて、お祈りをしてください」
清明は少し考えてから、答えました。
「そうですか。では、無駄かもしれませんが、できることをやりましょう」
清明は茅で人形を二つ作りました。それぞれに、夫婦の名前を書いた紙を入れました。そして祭壇を作って、祈りました。
「＜呪文＞」
清明は、天の神、地の神、仏、菩薩、明神、天童衆、そして数千の星々の神にも祈りました。やがて、急に空が暗くなって、嵐になって、雷が鳴りました。そして、頭に鉄輪をかぶって鬼になった女が現れました。女は人形に近づくと、人形を元夫夫婦だと思って、恨みを言いました。
「久しぶり、愛しいあなた。私の気持ちも知らないで、幸せに暮らしている。ああ、うらめしい。私と愛し合っていたときは、永遠に私を愛すると言った。でも、嘘だった。この女、私の夫を奪った女、私の恨みを思い知れ」
女は妻の人形を切り裂いて、妻を恨み殺しました。それから、元夫の人形を見ました。
「寝ても起きても忘れることができません。愛しいあなた。どうして私を捨てた。悪い人。さあ、私といっしょに地獄へ行きましょう」
しかし、元夫の人形のまわりには、清明が呼んだ神々が集まっていました。
「ああ、神様たちがあなたを守っている。鬼になった私は、近づくことができない。腹が立つ。神様、私を責めないでください。ああ、だんだん鬼神の力が弱くなる。もう駄目。今夜はあなた殺すことができない。悔しい。いつかまた、あなたを殺しに来ます」
そう言って、鬼になった女は、消えました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおわり