約1トンの鍛えられた馬が、重い鉄のそりを引いて力とスピードを競う、帯広競馬場で行われている世界で唯一の「ばんえい競馬」。それは北海道の開拓時代から脈々と続いてきた馬と人との絆の歴史、文化を残す貴重な遺産である。
トラクターやトラックが登場する前、馬は北海道の開拓、農作業、荷物の運搬に欠かせない存在だった。農耕馬なくして農家の作業はできず、人は馬を家族のように大切に扱ってきた。
しかし、今から60年ほど前に急速にトラクターが普及し、馬は主役の座を明け渡すことに。
その農耕馬が、現在唯一主役である場所、それが「ばんえい競馬」である。
帯広競馬場の敷地内にある厩舎では、開拓時代と同様に今なお馬と人とが一緒に生活し、厩務員たちは自分たちの生活より馬の世話を優先するほど馬と向き合っている。
どうして、帯広に「ばんえい競馬」が残っているのか？
そして、開拓時代から続く馬と人との絆を次世代にどのように伝えていくのか？
「ばんえい十勝」の地元、帯広市出身の堀内大輝アナウンサーと森結有花アナウンサーが帯広競馬場、厩舎、そして生産者を訪ね、今なお続く馬と人のつながり、その歴史と今を取材する。
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