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【もんすけ調査隊 アタック!】
依頼人(harukaさん)
「札幌市白石区に南郷と北郷がありますが
"なんごう"は音読み"きたごう"は訓読み
なぜでしょうか?」
札幌市白石区にある
“南郷(なんごう)”と“北郷(きたごう)”。
この読み方が気になって気になって
夜も眠れないという。
確かに音読みに揃えれば
“なんごう”と“ほくごう”。
訓読みに揃えた場合は
“みなみごう”と“きたごう”になるはずだ
なぜ“音読み”と“訓読み”が混在しているのか?
さっそく調査開始!
まずは正しい呼び方を確認するため、
札幌市のホームページを確認すると…
【調査員】
「ここに書いてありますね。
“きたごう”と…こっちには“なんごう”。
やはりこれが正しい呼び方のようです。」
“みなみ”1条や“きた”1条など、
方角を示す場合は訓読みが一般的
一方、“ナンゴウ”のように
音読みする町名は、数少ないようだ
【地域住民に聞き込み】
調査員)「なんでこれ統一されてないと思います?」
「なんでですかね、ホクゴウはちょっと言いずらい気がします。」
「なるほど、音(読み)でね、ホクになりますよね、普通はね。」
調査員)「なんでだと思います?」
「いやぁそれは今までそういう風に思ってきたから」
調査員)「昔からじゃあ読み方変わらない?」
「そうです。その通りです。」
調査員)「これミナミゴウって言うだとか、
いや、そういう会話したことないです。」
調査員)「ホクゴウっていうとか聞いたことない?」
「聞いたこともないです。」
真相を探るべく調査員は、
白石区役所を直撃した。
【白石区役所 地域振興課 柳原 大さん】
「記録に残っている範囲になるんですけども、
大正の頭くらい、明治の末、ぐらいの記録に
地図上で北郷と南郷と地名が表記されていた。」
「こちらになります。」※白石ものがたり1
「白石村部設置規則というものが作られて、
この中で白石村を中央部、本通部、
上白石部、横町部、北郷部、南郷部と
全部で15の部に分けられた。」
札幌市と合併する以前、
まだ“白石村”と呼ばれていた明治の末ころ、
現在の12号線が通っている
本通地区を基準に南側を“南郷部”。
北側を“北郷部”と定めた、という記録が残っていた。
しかし…
【白石区役所 地域振興課 柳原 大さん】
「正直ですね、区役所の方でも
資料を調べてみたんですが、
その起源だとか読み方を定めてあった、
あるいは書いてあったという資料は
一つも見つかりませんでした。」
およそ100年前の話ということで
区役所にも手掛かりになるような記録は
残っていなかった。
う~ん、困った・・・。
しかし、こんな時、もんすけ調査隊には、
頼りになる男がいる!
ほっかいどうの歴史を紐解く歴史散歩でおなじみ、
マチ歩き研究家の和田哲(わださとる)さんだ。
【マチ歩き研究科 和田哲さん】
「ミナミゴウならキタゴウでいいんですけども、
ナンゴウに対してはホクゴウが日本語としては自然」
「実はこのことについて改めて調べたところ、
新しい資料が見つかったんです。」
【もんすけ調査隊 アタック!】
札幌市白石区にある“南郷(なんごう)”と
“北郷(きたごう)”という地名。
音読みの"なんごう"に対して
"きたごう"は訓読みだ。
同じ地区の町名にも関わらず、
なぜ、音読みと訓読みが混在しているのか?
マチ歩き研究家の和田さんは…
【マチ歩き研究科 和田哲さん】
「実はこのことについて改めて調べたところ、
実は新しい資料が見つかったんです。
こちらの資料なんですけども」
これは、北郷東(ひがし)町内会が
2002年に発行した、創立50周年の記念誌。
※『北郷東町内会創立50周年記念誌 私たちの北郷東』 同委員会発行
【マチ歩き研究科 和田哲さん】
ここをご覧ください。
ルビがふってあります。
“なんごう”に対し、“ほくごう”と
呼ぶようになったと書いてあるんですよ。
【調査員】
昔は要は・・・音読みで統一されていたってこと?
【マチ歩き研究科 和田哲さん】
そうなんです。
最初はホクゴウと呼んでいたらしい。
また、この本には
1954年(昭和29年)に制作された
NHKの資料『全国市町村名の呼び方』の
一部を引用し、次のように記されている
「NHKの資料によれば
北郷=ホクゴー となっているので
昭和30年代でも“ほくごう”と
呼ばれていたようではあるが
次第に宅地化が進むと“きたごう”と
呼ばれることが多くなり定着した」
【マチ歩き研究科 和田哲さん】
「どの時点で変わったかなんですけども、
おそらく白石村が札幌市に合併したり、
新しく白石区ができたりとか
いろんなタイミングがあったのでそのどこかで
正式にキタゴウという読み方にされたんじゃないか。」
全国の地名を研究している
日本地名研究所の
菊地恒雄さんは、こう推測する。
【調査員】
「全国的に地名で見ると“きた”
と呼ぶ(地域が)多いんですか?」
【日本地名研究所 研究員 菊地恒雄さん】
「圧倒的にキタです。」
「やはりその響きって言うかな、
その村の人たちだから本来“ほくごう”と
言わなきゃいけなかったんだろうけど
そこの住んでる人たちはそれ以前から
“きたごう”と言う風に実際に呼んでいた。」
「ほくごうという記述はあっても
地元の人たち当たり前のように
“きたごう”と言っていたから
そこできたごうになっていくわけです。」