２０年ぶりとなる新しい日本銀行券、いわゆる新紙幣が流通して１週間が経とうとしています。千円札の肖像、小国町出身の細菌学者北里柴三郎を中心に、新紙幣にまつわる話題をお伝えします。
７月３日、１万円、５千円、千円の新紙幣が発行されました。
この日、日本銀行熊本支店ではおよそ２５０億円分の紙幣が県内の金融機関に引き渡され、早速、熊本市内の銀行では新しいお札を手にする人もいました。
【両替に来た客】
「郷土の北里柴三郎さんの紙幣が出るということで楽しみにして待ってました」
「１０万円分両替しました」
新千円札の肖像は細菌学者・北里柴三郎。１８５３年に現在の阿蘇郡小国町に生まれ、破傷風の血清療法を確立するなど、近代医学の発展に尽力し、数々の功績を残しました。
その柴三郎の地元・小国町でも…。
【浜田友里子アナウンサー】
「ずらりと長い列ができています。皆さんのお目当ては、新しい紙幣です」
待ちに待った両替、新しいお札を手にした人は…
【新紙幣に両替した人】
「やっぱりきれい」（すぐに使う？）「番号を見てから使う」（どういう数字なら使わない？）「価値が上がらない番号だったらすぐに使う」
お札に書かれた数字などを気にするという人もいる中、記念館では…
何やら皆さん、興味深々の様子です。
来館者の注目を集めたのが、ガラスケースに展示された千円札。
お札に記されたアルファベットと数字「記番号」は『ＡＡ０００００５ＡＡ』若い記番号です。これは日本銀行が肖像や図柄にゆかりのある地や団体に贈呈しているもので、『ＡＡ』は新紙幣の中でも最も早く製造されたものということです。
【ガイド】
「肥後の「ご」、先生が通った古城医学校、熊本大学医学部。熊本では「五高」と言う。その「ご」。だから私は「ご」でよかったと思う」
【福岡県から】
「よかった」「きのうはすごく人が多かったというのできょうはこれが見られてよかった」
ちなみに、東京の貨幣博物館には新紙幣の最も若い記番号「１」が展示されているそうです。（３券種ともに）
ところで、柴三郎の苗字は「キタサト」それとも「キタザト」？
柴三郎のひ孫にあたる英郎館長に尋ねると、元々は「キタザト」と読んでいたそうなのですが…。
【柴三郎のひ孫で記念館の館長北里英郎さん】
「諸説あるが柴三郎がドイツへ行ったときにＺだとキタツァトとなってしまう。
だからＳ表記にした」
ＫＩＴＡＺＡＴＯと表記するとドイツではＺＡの部分がツァに近い発音になります。
そのためドイツで「キタザト」と読んでもらうためＫＩＴＡＳＡＴＯとＳＡ表記したことがきっかけで、英語圏でも「キタサト」と読むようになり、今に至るということです。
（館長は？）
「戸籍ではキタサト、ただここではキタサトさんはいないのでキタザトと濁るようにしています」（使い分けているんですね）
ちなみに７月５日現在、小国町にはキタザト姓が１７３人。キタサト姓はいない
ということでした。（小国町民６３５１人）
新紙幣の発行に沸く小国町。
小国町商工会を中心とした実行委員会では、１０月１３日に柴三郎の顔を地上に描こうというイベントを予定しています。
【原山真津雄　実行委員長】
「完成図です。このグラウンドで２０２４人。一つ一つの黒点が皆さん一人一人になります。みんなで作り上げようということで企画をしました」
当日は黒い傘が配られるということで、これを差しての挑戦となります。
募集人数は２０２４人、集まり次第、締め切るということです。
（日時・１０月１３日　午前９時～）（問い合わせ　０９６７・４６・３６２１）
新紙幣の発行から１０日で１週間、皆さんの元には届いていますか？