静岡県熱海市の土石流災害をめぐり、遺族など4人が斉藤栄 市長を業務上過失致死の疑いで刑事告訴・告発していた問題で、熱海警察署は12日 正式にこれを受理しました。4人は、市長が「違法な盛り土を放置し、適切な避難誘導をしなかった」と主張しています。
斉藤市長を刑事告訴・告発したのは土石流で兄を亡くした都内在住の小川泉さんなど4人です。
告訴・告発状では斉藤市長が違法な盛り土などに対し適切な対応を行わず放置したほか、土石流の発生当日に避難指示を見送るなど適切な対応をしなかった過失があると主張しています。
佐藤公亮弁護士　「私の方からいくつか論点を提示させていただいた上で、徹底的な捜査をお願いいたしました」
兄を亡くした小川泉さん　「正直な話ホッとしてます、私たちのスタートラインに立った、第一歩を踏み出したと。とにかく真相解明、究明して責任の所在を明らかにしなければ、住民に寄り添った本当の復興復旧にはならない」
4人は真相究明に向けて斉藤市長だけでなく、他の人たちへの刑事告訴や損害賠償請求も検討していく方針です。
斉藤市長は「告訴状の受理について内容を承知しておりません。いずれにせよ復旧復興に全力を尽くしてまいりたいと考えております」とコメントしています。
＜スタジオ解説＞
土石流災害をめぐる刑事告訴や民事訴訟の状況についてまとめました。
遺族や被災者でつくる被害者の会は、盛り土の前の所有者と現在の所有者、それに県と市に対し損害賠償を求めて裁判を起こしています。これらの裁判は併合して審理される見通しとなっています。
また被害者の会の遺族の一部は盛り土の現旧所有者に対し殺人などの疑いで刑事告訴していて、警察は告訴を受理し捜査を進めています。
一方で盛り土の現在の所有者は、熱海市の斉藤市長に裁判に参加してもらう目的で損賠賠償を求めて提訴しています。
そして12日 斉藤市長に対する業務上過失致死容疑での刑事告訴・告発が受理されました。
今後は警察の捜査が進められることになりますが、それぞれの裁判などにどのような影響を与えるのか注目されます。
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