『えー！じゃあやっぱり怖い人なんだー』
本当は、そんな事ないってわかってたけど
集団の中から外側に弾かれるのが怖かった
『やっぱり近づかない方が良いんだね』
貴方が意味もなく人を傷つけた事がないのも
『親が凄い悪い人なんだって』
貴方が愛情を貰って育った事も
『なんで、この学校にいるのかな』
貴方が私を助けてくれた事も
全部を知ってて私は、貴方の強さに甘えていた
まだまだ子供だった私達は、無邪気で無垢で人の痛みがわからなかった。
だから恐怖は簡単に悪意に変わり、好奇心は嫌悪に変わり、やってはいけない事がやって良い事に変わった。
『この学校から追い出そうよ』
貴方が本当は誰よりも優しい″良い人″なのを知っていて、この渦を止めようとしなかった私は一番の悪人だ。
それでも、皆んなを、世界を、優しい目で見てる貴方を、これ以上、私は傷つけられなかった。
少しでも、少しでも今の景色を変えられるならそれで良いと思ったし、景色を変えたいなら、外側に飛び出さなきゃ駄目だから。
「本当は良い人だよ！！！」
「リョウタ君は、本当は良い人だよ！！！」
本当は良い人を、いや、本当に良い人を突き放していた。本当に悪い私にも出来る事があるなら。
#ルームシェア
#板橋ハウス
#本当は良いやつ