開催まで300日をきった「大阪・関西万博」。
準備が急ピッチで進みます。
世界の人々を迎え入れる空港ではうどん店でマレーシア人2人が、メニューの“何か”をチェックしています。
メニューの隅にある記号のようなもの。
「ピクトグラム」と呼ばれる絵文字です。
鶏に、羊など、使われた食材が一目で分かります。
ピクトグラムは、日本では１９６４年の東京オリンピックに初めて登場し、１９７０年の大阪万博で、世の中に浸透しました。
今ではすっかりおなじみです。
そして今回の万博を前に、関西で生まれたのが、“食材”に特化した「フードピクト」です。
宗教上の制限やアレルギーがある人でも、安心して食事ができるといいます。
フードピクトは、「帝国ホテル大阪」など関西を中心に、およそ１６００施設に広がっています。
作ったのは、2017年創業のスタートアップ「フードピクト」。
外国人ら1500人に調査し、誰もが一目で理解できるデザインを追求してきました。
例えば、「乳製品」。牛乳タンクの絵では、酪農がない国の人は理解できず、牛乳パックの絵も使わない国の人には伝わりません。
ビンと牛で、ようやく分かってもらえました。
2019年の「Ｇ２０大阪サミット」でも、メイン会場で採用。
万博を機に、世の中へ広めようと仕掛けるのが、関西経済連合会などが立ち上げた「食の多様性推進ラウンドテーブル」です。
「ラウンドテーブル」は、ピクトグラムによる表示だけでなく、食べ物の多様化も進めています。
プロジェクトに参加する、こちらのホテルでは、訪日客を想定した新メニューの開発を始めていました。
スイーツに必須の材料、卵やミルクを豆乳に置き換えることでビーガン対応に。
ガトーショコラの生地を、小麦粉の代わりに米粉で作ることで、小麦アレルギーの人にも対応できます。
政府は2030年に年間6000万人の訪日客を受け入れようという計画をたてています。
それ以外にも外国人がたくさん暮らすこれからの日本では、多様化に対応するためには、フードピクトの果たす役割に期待が寄せられます。