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真夜中の札幌市内に「ばん馬」が出現? 5年前に姿を消した幌馬車復活のため、奮闘する人々を追いました。
5年前に、惜しまれつつも札幌の街から姿を消した「札幌観光幌馬車」。コロナ過を経て、幌馬車の復活を目指し、動き出した人たちがいました。いかに安全を確保するのか。日夜奮闘する馬と人の絆を追いました。
1978年から始まった札幌観光幌馬車。大通公園や時計台など中心部を回る夏の風物詩でした。
しかし、2017年。経営者の高齢化を理由に、惜しまれつつもその姿を消しました。
その幌馬車の復活を目指す人たちがいます。
実現に動いているのは、札幌市内でビルメンテナンス会社を経営する花房長男さんです。
スリーエス メンテナンス 花房 長男 社長:「(Q:ビルメンテンナスの会社がなぜ馬に関わることに?)たまたまうちで働いている太田が『(観光幌馬車を)やってみたい』とそのための勉強をしたいということで、逆に頑張ってみろと」
経営者が代わり、これまでの経験もない中での新たなスタート。すぐに壁が立ちふさがりました。
スリーエス メンテナンス 花房 長男 社長:「馬を携わっている人に会うと、それは応援してあげたい夢だけど、路上に出るのはかなり反対された」
道路を走る幌馬車は軽車両扱いになるため、交通ルールを守らなければいけません。たくさんの車が行き交う札幌では、クラクションや騒音で馬が暴れたり、事故やトラブルが起きる恐れもあります。
ばんえいレース実況:「キタノダイナミック坂の頂上。第2障害、キタノダイナミックが先頭で、第2障害をクリアしていきます」
キタノダイナミック号ことダイちゃん。2021年、ばんえい競馬を引退した7歳のばん馬ですが、気性がおとなしく素直なため、幌馬車に向いていると薦められ、購入しました。
そして、調教師に選ばれたのが石川洋一さん(66)。ばん馬の牧場経営のほか、観光幌馬車の御者の経験もあるエキスパートです。
調教師 石川 洋一さん:「(Q:これから何をする?)もっと心臓を作らないといけない。時間をかけないといけない」
幌馬車の馬に必要なのは、まずは「体力」。2022年9月から始まった訓練では、毎日600キロの重りをひき「心臓」を鍛えます。
並行して、街中での訓練も。
まだ人通りが少ない街中で、信号などの交通ルールに徐々に慣らしていきます。
スリーエス メンテナンス 花房 長男 社長:「かわいい」
人に慣れているダイちゃん。体長は2m近くもある巨大な体ですが、触られても嫌がらないため、みんなの人気者です。
さらに体力をつけること以外にも、乗り越えなければならない課題がありました。
調教師 石川 洋一さん:「(Q:止めて待たせるのに意味は?)観光幌馬車の場合、停留所でお客さんを乗せることがある」
停留所やお客さんの乗り降りの際、勝手に動き出さないように「我慢」をする訓練。ダイちゃんにとっては、難しい訓練です。
調教師 石川 洋一さん(66):「前に行きたいからこうやってやる」
ダイちゃんの訓練は、雨の日も風の日も毎日続きます。
そして調教から2か月。これまでの成果を見せる日がやってきました。
サッポロファクトリーを中心とした創成川イースト地区の観光資源として復活する幌馬車。この日は、試験運転として初めて人を乗せることに。
お客さん役は、旅行代理店の担当者や近隣のホテルの支配人です。
JTB 加藤 武 部長:「街の中を馬車でめぐることができて魅力的だと思う。やはり馬が公道を走るので安全面を最重要として見ています」
信号待ちや大きな通りへの合流。路上駐車の車をよけるなど、交通量の多い街中をダイちゃんは難なくクリアしていきます。
街中に突然現れたダイちゃんに、まちの人も大注目です。
札幌市民:「すごいですね。車よりも交通ルールを守っている」
札幌市民:「乗りたいよね。すてきだな」
JTB 加藤 武 部長:「非常にワクワクしました。今後期待できると思う」
スリーエス メンテナンス 花房 長男 社長:「馬が一番頑張って優秀だった。社員の小さな夢が会社の夢になりこんなに大きく膨らんでうまくいったなと来年も期待できる」
幌馬車の復活は2023年6月の予定です。ダイちゃんの訓練はこれからも続きます。