Рет қаралды 962
発達障害(ASD・ADHD)で、社会適応のために一種の過剰適応をする「擬態」の賛否が議論になっています。ストレスからの二次障害のリスクはある一方で、社会適応のためには必要な技術との声もあります。
ご質問「発達障害です。擬態はダメですか?」について、精神科医が9.5分で回答しています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 kokoro-kichijoji.com
府中こころ診療所 fuchu-kokoro.com
チャンネル登録お願いします / こころ診療所チャンネル
↓↓内容の詳細は下記になります。
はじめに
今回は「発達障害です。擬態はダメですか?」というご質問について考えていきます。この問題には様々な意見がありますが、結論としては「悪いことではない。ただし、2次障害に注意」と言えるでしょう。
発達障害における「擬態」とは
「擬態」とは、発達障害の人が適応するために自分の特性を抑えて周りに合わせることを指します。うまくいけば社会との軋轢が減り、トラブルや不適応のリスクは低下します。しかし、常に過剰適応的な振る舞いをすることになるため、疲弊して二次障害につながるリスクもあります。
擬態への反対意見
擬態に対しては以下のような反対意見があります:
1. 無理をしすぎて疲弊してしまう
2. 2次障害のリスクがある
3. 自分らしさが失われる
4. なぜ一方的に合わせないといけないのか
加害性のリスク
一方で、「擬態よりももっと恐るべきは加害」という視点もあります。発達障害で生じうる加害性として、以下のようなものがあります:
- ASDでこだわりを押し付ける
- ADHDで衝動的な怒りを人にぶつける
- 配偶者がうつになる「カサンドラ症候群」の加害者になる
擬態をすることで、このような加害性を抑制できる可能性があります。
擬態は社会で生きるための努力
発達障害では、無意識にやっていくと不適応になったり、加害者になってしまうリスクがあります。対策としては:
1. 自分の特性に向き合い分析する
2. リスクを減らす取り組みを続ける
3. 社会と付き合っていく道を探す
「努力する変わり者」として認められれば、仲間ができる余地があります。
擬態に必要な総合的な取り組み
擬態をうまく行うために必要なこと:
1. 自分の言動が周りに与える影響の理解
2. 人間心理と社会の仕組みの理解
3. 自分への理解とモデリングを含めた改善への取り組み
4. 現実への直面
擬態の負担と二次障害のリスク
擬態を続けることは常に気を張る状態であり、疲れやすく疲弊するリスクがあります。その結果、うつ病や社会不安障害などの2次障害を合併するリスクがあります。
特に注意が必要なのは「無意識で擬態をしてしまう場合」です。これは女性の受動型ASDの方などでよく見られ、知らない間に疲弊してしまうことがあります。
対策:自覚しての擬態
自分の特性を知りつつ、社会適応対策として自覚的に擬態を用いることが重要です:
- やる・やらないをうまく見極める
- 一人の時間を作るなど、疲弊しない対策をとる
- 集団では「信頼残高の黒字化」を意識する
- 無理はしすぎず、継続可能なバランスをとる
守・破・離の考え方
自分らしさを失うことへの不安に対しては、「守・破・離」の考え方が参考になります:
1. 守:社会への適応方法を様々な角度から模索し、練習する
2. 破:適応への方法論を土台に、徐々に自分らしい主張を入れていく
3. 離:擬態にとらわれない自由な状態に至る
まとめ
発達障害の人の「擬態」には二次障害のリスクがありますが、加害性のリスクを減らす有効性もあります。現実に直面しつつ適応に取り組むことには意味があります。
自分らしさを出すには「守・破・離」の考えがヒントになります。初めは適応への取り組みに集中し、十分慣れてから徐々に自分らしさを出していくのが現実的な対策と言えるでしょう。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)
#発達障害 #擬態 #ASD #過剰適応 #精神科医
【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。