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「和」という漢字は、和風、和室、和歌と使うように、日本を指す字です。
また聖徳太子が十七条憲法の第一条で「和するをもって貴しとす」“仲良くすることが素晴しいことだ”と定めたように、「和」という字には、仲良くする、団結、という意味もあります。
さらに「和」には、「和(なご)やか」という意味があります。
仏教にも『和顔愛語』という言葉があり、和やかな笑顔と、優しい温かい言葉で相手に接することです。
お釈迦さまは「素晴しい行いですよ」と勧められています。
江戸時代、各村にある寺を中心に、子供の教育も、村の寄り合いも行われた時代、仏教の法話は各村々でひらかれ、お釈迦さまの「和顔愛語」の教えは、今よりずっと人々の間に浸透していました。
その「和顔愛語」の文化は、現代の日本にも受け継がれていると思いますし、今後とも大事にしていきたく思います。
先日、アメリカから一時帰国した友達が、空港での入国審査の対応で「日本人はやっぱり丁寧だ」と言っていました。
「お疲れさまでした」と笑顔で案内されて感激したのだそうです。
日本にいると、当たり前に思える客への対応ですが、確かに比較すると、際立っているのがわかります。
私もアメリカに2年間滞在した経験から、スーパーのレジでも、郵便局でも、何しろ無愛想でぶっきらぼうな対応に、日本との違いを感じたものです。
ファーストフード店では、「Here? To go?」と彼らは聞いてきます。
日本なら店員が明るい声で「お持ち帰りですか?それとも店内でお召し上がりですか?」と同じことを聞いてくれますが、彼らの「Here? To go?」は、とてもそう言われている感じではない。
「持ってく?食ってく?」って感じです。
フレンドリーと言えばそうなのかも知れませんが、フレンドリーでもないような。
というのは、笑顔で聞いてくるわけでもない、つまらなそうにぼそっと聞く感じなので。
日本の、笑顔や言葉を大事にする文化は、昔から育まれていたもののようで、それは幕末や明治の初めに来日した欧米人の残した記録の数々からも知られます。
彼らが本国に送った記録、あるいは私的に残した日記は、当時の日本を知る大変貴重な資料です。
そこには日本人の中では当たり前になっていて、とりたてて記録もしないような習慣、風俗の数々が写実的に書き記されてあるからです。
その文献で多くの欧米人が感銘を受けていることの一つが、日本人の「ほほえみ」のすばらしさです。
両国の川開きの混雑の際でも、「ありがとう」「ごめんなさい」と優しい言葉が飛びかったとか。
このようなあいさつは明るい笑顔とともに発せられ、自分たちを魅了した、と書かれてあります。
「質素な生活の中でも笑顔の耐えない国民だ」「不機嫌でむっつりした顔には、 ひとつとて出会わなかった」と書き遺しています。
今、日本は毎年、外国人の観光客数が過去最高を更新していますが、これからも「和やかな笑顔と優しい言葉」和顔愛語の文化で、世界から一目置かれる日本であったらいいなと思います。
『和やかな笑顔で、和を大切にしている和国、日本』で外国の人をお迎えしましょう。
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1988年早稲田大学を中退し、仏教講師の道を目指す。
浄土真宗親鸞会で仏教講師の資格を取得、全国各地で公開講座を始める。
2010年からメールマガジンをはじめ、読者12000人の仏教最大級のメルマガ執筆
2014年からは全国をつなぐオンライン講座の動画レクチャーでも活動中。
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