Рет қаралды 9,182
私の本業ど真ん中である住宅設計「新築一戸建てvol.11」のお話しです。
今回の前編を含め、全2回でお届けします。
【物件データ】
所在地:大阪府
延床面積:62.26坪(205.84㎡)
敷地面積:109.48坪(361.95㎡)
「二世帯住宅」のご紹介としては第二弾となります。
今回は一風変わった二世帯のお家。
親子世帯が暮らす二世帯ではなく、ご年齢が60代の夫婦が別々で暮らす二世帯住宅です。
玄関が2つあり、それぞれの「より良い暮らし」を叶えるべく設計した「新・二世帯住宅」です。
数年前に、息子さんご家族のお家を私が設計建築しております。
そこに今回の施主(親御様)が訪れた際、「なんでこんなに暖かいの?家中の暖房をつけているの?」と質問されました。
息子さんは、「床暖を軽くつけているだけ」。
その答えに驚かれたことに始まります。
「築20年の住友林業が建てたお家を建て替えたい。」
施主様の意向を受けて、息子さんからお電話をいただきました。
さすがに私も、その築年数の(住友林業さんの)家なら建て替える必要はないんじゃないですか?とお話しました。
実際に親御様とお会いしても、意思が固い様子。
「残りの人生を豊かにしたい。」とお母様が仰られました。
それほど長くはない残りの人生を、後悔なく楽しんで暮らしたい、そんな気持ちが胸に刺さりました。
私は、他社も見学することを勧めました。
息子さんが同行してのハウスメーカー巡りが始まります。
一条工務店、小林住宅‥etc。
先々で息子さんが投げかけた質問に、納得のいく回答や提案は得られなかったとのこと。
そこで、改めて正式に設計建築のご依頼をいただくこととなりました。
私はどんなお家も当然、全身全霊で手掛けます。
しかし60代のお客様の、ただ暮らすには問題のないお家を壊して建て替える。
まさに命がけの想いに、私も命を削る想いで立ち向かう決意。
建て替え前のお家に住んでもらいながら打ち合わせを進めた後、賃貸に住み替えていただきました。
その期間は約1年です。
解体が始まり、さすがは住林さん、しっかりしたお家でした。
鋼管杭を全部抜き、擁壁の上のブロックが2段擁壁みたいになっていたので改善。
CPブロックで擁壁まわりを整え、家自体も深基礎に。
お家の解体から造成だけで3、4か月かけてしっかり造り込みました。
お家の外観は、いつものメデトリニアンではなく新たにデザインを起こしました。
押村NEWデザインが、奥様たっての希望でした。
切妻ではなく水平軒天を採用し、寄棟でどっしりと。
外壁に数種のタイルを美しく配し、私が過去にデザインしたどれとも違うものを。
ポイントは凹凸を多用したうえで、外壁とタイルのカラーにコントラストをつけないよう配慮したこと。
しっとりとした、大人っぽい高級感が欲しかったからです。
このお家のためだけに新たな矩計図を起こし、様々な部材を変えてオーダーしました。
外構工事は、3台分のガレージスペースとカーポート。
スロープ、ウッドデッキ、人工芝、アプローチの天然石、1.8mの鋳物アイアン門扉、等々。
これぞ注文住宅!ですね。
では、お家の中へ。
玄関が2つ(パッと見は1軒のお家です)、ご主人様のゾーンは1SLDK、奥様は3LDK。
ご主人様用の玄関を開けるとシューズクロークとホールクローク。
ホールの階段を登るとLDKです。
ご本人が希望された壁付けのミニキッチンと、その横には造り付けのカップボード。
リビングの壁掛けTVとソファの間を通っていくとバルコニーがあります。
読書を好まれるので、DENをゆったりとしたスペースで設計。
快適な読書の時間を過ごしていただくために、アーロンチェアを選びました。
ちなみに私のデスクの椅子もアーロンチェアです。
DENの横にあるドアを開けると、お一人が使うには十分な広さの洗面室。
乾太くん、パウダールーム収納、1616サイズのお風呂があります。
もう一つのドアを開けると寝室です。
グレイッシュなクロス(サンゲツ)で統一し、ブラックチェリーの床と一体感のあるドアやウッドブラインドで男性らしくまとめた、非常に格好いい空間です。
ベッドの横の壁面にはクローク、反対側の壁面奥には納戸。
ご主人様世帯の住宅は全体的に奇をてらわず、カルテットペイントではなくクロスのみの仕上げ、今後を見据えて必要な所に手摺りを入れるなど、バランスを重視しました。
先日、全館浄水のカートリッジ交換で伺った際には、暮らしやすくて快適とのお言葉を頂戴しました。
そんな華麗なる一人暮らし、羨ましいと思われる方もいらっしゃるのでは?
奥様世帯の住宅は後編にてお楽しみください。
【新築住宅への想い、中古戸建て・マンションのリノベーションに関して】
私は新築戸建ての設計や建築を主としています。
理由は美しい街を創りたいたいから。
美しい街は資産価値と、それを守る住人の意識を生みます。
街や住人の意識や価値を一変させる思想で、メイクノスタルジーと命名しております。
日々楽しんで苦しんで命を削る思いで設計を繰り返し、
私の描いた設計図面があんなに大きくスケールアップしたお家に建ち上がる。
感動で心が震えます。
だからリフォームやリノベーションに興味があまりなかったんです。
ただ、知人や関係者からたっての要望があると見てみぬふりができず。
私が関わることで一人でも幸せな方が増えるのなら、という想いです。
マンションであれば一旦スケルトンにしてのフルリノベーションが、設計の醍醐味(暮らしの激変)を感じられます。
また、間取り制作や照明計画、外構工事、クロス選び、バックセット(カップボード)施工、玄関タイル等、部分的なリフォームもほぼ手掛けません。
リフォームでも、建築施工が絡む内容には設計が必要となります。
図面を起こしますと、コンセント・スイッチ・照明計画等の電気配線図の制作も重要なポイントとなります。
照明・電気計画が入りますと、「何を、どう照らすのか」といったインテリア計画(クロス、床材、天井材、家具、カーテン等)が本来必要となります。
図面を描いて、お客様が依頼されている工務店が着工しても「この図面通りには(技術力の差で)出来ません」というやり取りが始まってしまう。
そのような過去のほぼ全ての経験から、住宅の全ては連動した一気通貫の中で計画されるべき、という考えに至りました。
戸建てリノベーションを手掛けない理由として。
いわゆる「暮らしが変わらないリフォーム」しか出来ないことがほとんどだから。
抜けない構造材や、壁の中が想定外の造りになっているなど、表面上は綺麗にできるが暮らしは変わらない。
何より、元々の設計者の意図や意志が入ったお家(設計)にメスを入れるだけの修正作業は非常に苦しいですね。
手前勝手ではございますがご容赦いただけますと幸いです。
私はこの仕事に誇りをもっているので、昨今目にする機会が多い「志の無い」設計士に嘆いています。
しかしながら、そこに向き合うお客様が、より良く打ち合わせが進むようにも願っています。
そこで、ハウスメーカー(設計士)とお客様、双方の視点で解決策はないものかと考察しました。
自由設計!なんでも出来ます!何度でも図面作成OK!‥等々
私には「クレームから全力で逃げたい(だけ)」に見えます。
住宅業界の責任逃れ体質。
設計士の意識改革。
お客様の心構え。
私なりに様々な視点から、原因と対策を提案します。
照明計画でお伝えしたいこと。
それは、住宅の原案設計者にしか分からない意図があるということ。
様々な照明器具や建築化照明がありますが、本来の目的や意図と反して使用することもあります。
照明計画だけを別の設計士に依頼するのはナンセンスです。
照明と親和性を高めるべき項目にインテリアの計画があります。
住宅は奇をてらわず、シンプルに造ってインテリアで美しくまとめることが大切です。
暮らしの質はインテリアで左右され、人生を変える力もありますので、一度きりの真剣勝負で挑んでいただきたい。
根本的にインテリアの良し悪しは、住宅設計で決まります。
コーディネーターではなく、設計士の力量にかかっているということ。
インテリア、外構、全ては原案設計者が一気通貫でプランニングしないと良くなりません。
美しさも居心地もメンテナンス性も、全ては設計力です。
設計力や提案力に満足できないお悩みに対して。工務店や大手ハウスメーカーなど、耐震性や断熱性や機密性のスペックだけを売りにする住宅は、本当に私たちの求める住宅でしょうか?新製品やスペックにとらわれることなく、美しさと使い勝手を併せ持つ私のオリジナルな基準で住宅に関する情報を発信します。後悔の無い・失敗しない家づくりをするために、住宅設備の剪定、インテリアのコーディネート(クロス選び・建具選び・床材選び・カーテン・カーテンレール・家具配置)、照明計画(ダウンライト・間接照明、ペンダントライト)など、住宅設計の基礎となる考え方も参考にしていただければ幸いです。
@tomoyaoshimura1993
【チャプター】
00:00 告知
00:43 イントロ
01:08 オープニング
01:56 物件データ
06:23 施工までのスケジュール
09:36 外観のご紹介
05:09 本当の注文住宅とは
16:04 外構のご紹介
19:53 今回のお宅のご紹介
21:04 ご主人様のご世帯の紹介
26:37 ご主人様の世帯インテリアの紹介
28:47 エンディンング