1990年1月に撮影した銚子電気鉄道の様子をご紹介した。海鹿島～君ヶ浜のキャベツ畑など、沿線風景はさほど変わっていないが、銚子電気鉄道を取り巻く情勢は大きく変化している。デキ3の塗装・集電装置の変更はもちろん、電車もすべて入れ替わっており、澪つくし号も引退してしまった。デハ301などはビューゲル集電ではないか。当時は笠上黒生駅の信号機もまだ腕木式の頃だ。また現在も継承されているが手描きの車内吊り広告は雰囲気がある。当時取材スタッフが宿泊した国民宿舎犬吠ホテルはなくなってしまったが。それはともかく、ここに来てのまさかの大減便ダイヤ、そして日中の笠上黒生での列車交換中止・・・本当に大丈夫なのだろうか？と不安を感じざるを得ない。
　2013年は銚子鉄道としての開業から90周年（銚子遊覧鉄道から数えれば100年）とのことだ。近年は芳しい話題に欠ける銚子電気鉄道だが、何とか苦境を乗り切って欲しいものである。なお撮影にあたっては銚子電気鉄道本社の許諾を得ている。取材に対応して頂いたのは、のちにぬれ煎餅販売の企画を立案する向後功作氏（現：銚子市観光プロデューサー）であった。
　なおノイズが目立つカットや色が悪いカットが多く、音声もモノラル収録。フルハイビジョンが当たり前となった現在の私たちの目には、当時の映像は何とぼんやり映る事だろうか。そこは四半世紀前の映像と認識して視聴いただきたいが...。