0:00 （１）はじめに
0:25 （２）発達障害は持続する生来の障害
3:14 （３）発達障害の治療目標4つ
3:21 ①障害受容と特性改善
6:08 ②二次障害の防止と改善
8:02 ③自己肯定と他者貢献
10:45 ④福祉資源の活用
12:55 （４）まとめ
発達障害（ASD・ADHD）は生まれながらの障害のためうつ病などのように寛解や治癒は望みにくく、障害受容と特性改善の取り組みが大事になります。その中で大事なのが、自分を信じる「自己肯定」と社会適応のカギになる「他者貢献」です。
「発達障害の治療目標4つ」について、精神科医が14分で説明しています。
出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長）
こころ診療所吉祥寺駅前　kokoro-kichijoji.com
府中こころ診療所　fuchu-kokoro.com
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↓↓内容の詳細は下記になります。
（１）はじめに
発達障害は生まれながらの脳の機能の偏りであり、生来の障害のため治癒も寛解もせず、障害は残る部分があります。しかし、できる改善を行いつつ、障害と現実をどう受け入れるかのバランスが重要になります。
（２）発達障害は持続する生来の障害
発達障害の代表的なものは、ASD（自閉症スペクトラム）とADHD（注意欠如多動症）です。これらは生まれながらの脳機能の偏りで、幼少期に見つかることが多いですが、成人後に見つかる場合もあります。
ADHDは不注意、多動、衝動性が特徴的で、ミスや忘れ物、衝動的な行動などが目立ちます。ASDは社会性の障害とこだわりが特徴的で、いわゆる「場を読まない」言動などが目立つことが多いです。
発達障害では、不適応やストレスなどからうつなどの二次障害が生じることがあります。これは元の障害と同様に生活に大きな影響を与えますが、予防や対策の余地がある面もあります。
（３）発達障害の治療目標4つ
①障害受容と特性改善
障害を受け入れることは改善の第一歩であり、取り組みの土台となります。ただし、受け入れの過程では強い葛藤が生じることもあります。一方で、特性改善には様々な方法があり、地道な反復練習が必要です。
ASDの場合、状況分析や経験からの論理的推測、表情や話し方のモデリング、こだわりの他者貢献への活用などが改善の例として挙げられます。ADHDでは、メモの活用による不注意のカバー、衝動に対する一歩引く練習、アンガーマネジメントなどが有効です。
②二次障害の防止と改善
二次障害の予防と改善には、ストレスマネジメント、環境調整、既に生じた二次障害の治療が重要です。ストレスマネジメントでは、ストレスの蓄積を防ぐために様々な方法を試みます。環境調整では、特性と環境のミスマッチによるストレスを軽減します。既に生じた二次障害に対しては、その疾患に応じた適切な治療を行います。
③自己肯定と他者貢献
自己肯定は精神的健康を保つために非常に重要です。一方、社会適応には他者貢献が欠かせません。自己否定の習慣や周囲からの偏見に対しては、意識的に自己肯定に努めることが対策となります。他者貢献では、自分の利益よりも周りの利益を優先し、障害特性を強みとして活用することで適応に近づけます。
④福祉資源の活用
自主的な取り組みだけでは限界がある場合、福祉制度の活用を検討します。例えば、精神障害者福祉手帳の取得、就労移行支援の利用、障害者雇用の活用などがあります。これらを通じて必要なサポートを受けながら、社会生活や就労を継続することが可能になります。
（４）まとめ
発達障害は生来の特性であり、薬による治癒は困難ですが、4つの治療目標を意識することで生活の質を向上させることができます。障害を受け入れつつ、できる改善に日々取り組み、合う環境を探して二次障害の発生を防ぐことが重要です。自己肯定と他者貢献のバランスを保ちながら、必要に応じて福祉制度も活用していくことで、より充実した生活を送ることができるでしょう。
こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station）
府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
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#発達障害　#ASD　#ADHD 　#自閉症スペクトラム 　#精神科医　
【監修者】
医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎
精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医）
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。