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天気も良いので、地方の町に出かけました。金物店が5軒あって、その全ての店舗を回りましたが、得られたのは、この一本だけでした。
いずれの店主も、売れないし入って来ない、とのことでした。
最後の一本、箱ごと購入しました。見た瞬間、「駄肥後か!」と思いましたが、値段が350円であるし箱も貰えるとの事で、箱代と思って支払いました。店主の話によると、もう入って来ないし、小生の前に買いに来たのは、工芸をやっている若い女性だったらしい。よりにもよって「駄肥後」を入手していったのか。どこの誰だか知らないけれど、本当の肥後守はもっと違うんだよ、と伝えたくなった。
また、箱にも鞘にも「割込」の文言があるけれど、これは3枚鋼を使用しているのでは無くて、全鋼製のものです。試みに裏側(左側)を研いで見ましたが、一向に地金と刃金の境目の線が現れませんでした。これも以前は「割込」で作製していた時代があって、ある時点で刃を全鋼製に変更しスペックダウンしたものの、箱書と鞘の刻印は従来のものをそのまま、使い続けたのだろうと推測されます。
特大の物と比較してみました。
● 特大サイズと同じ構造で、片方座金無し。
● 指で押さえる「チキリ」部分が、型抜きしたままで、丸めていない。
● 刃を開いた時のくの字の癖が強い。
● 刃にはVフラットだが、右側に段刃というか、小刃が付けてある。
暮らしの手帳研究室では、この小刃はこう酷評されています。「両面が平らな両刃ならば、砥石の上にペタンと置いて研げる。 しかし小刃のあるものは、あの細い帯状の刃をとがなければならない。そんな芸当はもちろん子どもには不可能だし、普通の大人でもなかなか出来る事ではない。つまりは使い捨てにしろ!ということだろう。」 そして小刃のない両刃のものを選ぶべきだ、としている。 小生も実は、小刃のあるものは、みな両刃にして使っている。小刃をつけると刃持ちが良くなるが、切れ味が悪くなる。また、商品的にはキチンと切れる両刃にするには、けっこう工程が必要だが、グラインダーで小刃をつけてしまえば、その製造工程を省略し、誤魔化せる要素もある。更に刃の材質が悪い場合は、両刃にするとマクレやカエリが出て、刃がガタガタになるが、それが露見しないような意味もある。
確かに小刃付きの肥後守は、買わないほうがよさそうですが、もう時代に遅れて意味のない助言でもあります。
実はサイズ違いのものは、この「中」のほかに、「大」も持っていますが、左様な訳で紹介を省略致します。